Daimaru department Sapporo
小売業

死角を許さないパノラマカメラと操作性に優れた管理システムが百貨店の安全と省人化を実現

組織: 株式会社大丸松坂屋百貨店 大丸札幌店
場所: 北海道札幌市, 日本
顧客のニーズ: 健康、安全および環境 (HSE), インシデント検知, 運用効率
北海道札幌市, 日本, 

省人化と非接触、新たな活用方法が広がるAxisのエンドツーエンドソリューション


課題

札幌を代表する大丸札幌店では、売り場総面積45,000m2を誇る店舗において、死角を最小限に抑えて監視することが課題となっていた。すでに約180台のPTZカメラが設置されていたものの、特定の場所しかカバーできておらず、店舗内のみならず駐車場やエスカレータなど監視の目の届かない箇所が多く存在することが、お客様の安全を守る上でも問題と感じていた。そこで入れ替えのタイミングで、防犯システムを専門的に任されていたチュウケイ株式会社とAxisのソリューションゴールドパートナーである東芝エルイーソリューションによる提案により、新たな観点でカメラを中心にシステムを一新することになった。加えて、同敷地内の炭火を扱う二軒のレストランでは閉店後炭火の不始末による火災を防止するための効率的対策が求められていた。

解決策

新システムではパノラマ(全方位)カメラAXIS M3057-PLVEをはじめ合計270台のネットワークカメラが採用され、これまでとの比較で約4倍の視認範囲を実現する死角のないソリューションを実現した。特に子供の巻き込み等による緊急停止に悩まされていたエスカレータ周りには、従来のPTZカメラに代わりエスカレータの昇り口と降り口にそれぞれパノラマカメラを設置することでスロープ全体をカバーできるようにした。システム全体をスムーズに管理運用するためAXIS Camera Stationを導入し、全方位(魚眼)ビューから必要に応じてPTZカメラと同様のズームでの確認が可能となった。炭火を使用する飲食店には温度アラームカメラAXIS Q2901-Eが2台設置され、設定以上の温度を感知した場合にアラームを発報するシステムを導入した。

効果

大丸百貨店からの最大の要望であった死角を最小限に抑えたシステムが実現し、監視だけではなくお客様の安全性にも貢献した。パノラマカメラの導入によりカバー範囲を最も強化した駐車場においては、接触事故の際の検証材料として役立つだけでなく、ボンネットからの火災をパノラマカメラで即確認できたことで初期消火につながったという。また温度アラームカメラの設置により、厨房内で熱源の未処理があった場合は防災センターにアラートが上がるので迅速な覚知が可能となったため、業務負担は大幅に軽減された。以前は警備員のみが確認していたカメラは、今は使い勝手の良さとその可能性が社内に広まり施設の担当者が設備点検や改修目的でも利用されている。今後省人、無人化ならびに非接触を実現する新たな活用が期待される。

これまでカメラ映像は警備員が利用するものでしたが、直感的操作が可能なシステムにより施設担当者が自然に操作を覚え、点検や修繕箇所の確認にも活用されるようになりました。今後も遠隔対応など効率運用に向けて活用を進めております。
木村 達雄 氏
大丸札幌店 業務推進部 施設担当マネジャー

システム導入の背景と詳細

大丸札幌店は、売り場は地上8 階から地下1階総面積45,000m2、加えて地下に3階層の駐車場を備えた百貨店である。この広大で来店客の賑わう店舗を効率よく、くまなく監視できるかという点が同店にとって長年の課題となっていた。死角を最小限にしたいという要望は、防犯上の理由だけではなく、来店するお客様の安全を守りたいと思いからでもあった。販売員が常駐する売り場に比べ、人の目の届かない傾向のあるエスカレータや駐車場においては、子供の巻き込みや落とし物によるエスカレータの緊急停止やお客様の車両同士の接触事故も発生する。警備員があらゆる危険をいち早く察知し、適切な初期対応を行う重要性を感じていた。

死角を最小限にするソリューションとしてチュウケイ株式会社と東芝エルイーソリューションが提案したのは、それまで大多数を占めていた画角90°のPTZカメラの代わりに360°の視野を可能にするパノラマカメラを活用するというものだった。当初球体での見え方や新しいインターフェースに戸惑いを覚えていた部分もあったが、AXIS Camera Stationの直感的な操作性の良さはすぐに理解された。特にマウス操作だけで所望の箇所を非常に簡単かつ快適に確認できるという点が評価されており、特定の人の動きを追いたい場合には従来の2分割、4分割ビューより、コマのつなぎ目がなく方角が分かりやすいと高評価を得た。結果として当初予定されていた台数より大幅にパノラマカメラの採用を増やすことになった。

導入にあたっては、百貨店ならではの外観に関するこだわりも配慮した。店舗内のお客様が目にする箇所のカメラは全てパノラマカメラを採用し、突出部が出ないように天井に埋め込み式で設置している。逆に従業員用のバックヤードでは抑止の意図もあり固定式カメラAXIS M1124を採用したという。
大丸札幌店ではこれまで日本メーカーのカメラのみを導入しており、今回が初の海外メーカーとなる。これには国産にこだわらず、機能と価格とのバランスの良いものを客観的な基準で選びたいという大丸札幌店の判断があった。従来システムとの比較において視認範囲3.7倍、1台あたりのカメラの能力比は6.8倍にアップという具体的な数値でメリットを提示できた点が大きな説得力となった。

「全方位(パノラマ)カメラは店内の様子を点や線ではなく、面でカバーする、店内監視において今後の主流になっていくと考えました。」(チュウケイ株式会社鈴木氏)これまでカメラ映像は警備員が確認するものという認識だったが、導入後の現在では操作を覚えた施設担当者の間でも、至急の対応を現地に足を運んで確認する必要がなくなったと積極的に活用されている。Axisのソリューションの操作性の良さや性能を体感する中で、管理システムへの新たな可能性を見出している。これまでパッシブセンサーなど別の機械装置が行っていた検知や、人が行っていた受付などの業務をAxisのカメラで包含できるのではという一歩進んだ検討もなされている。
動体検知も省力化に貢献するソリューションとして検討されているが、夜間暗闇での検知が課題となっていた。しかし今回導入したAXIS M3057-PLVEには赤外線ソリューションOptimizedIRを備えているため、現実のものとなる日も近いだろう。

さらに、人が常時そこにいなくても遠隔でできる業務があるのではという観点からインターホンやカメラで相互応答により、荷捌きや配送業者対応を時間によって遠隔で対応することも検討されている。この動きはコロナ禍による無人化・非接触対応の必要性と相まってますます加速している。大丸札幌店でのソリューションは設置して終わりではなく、今も進化し続けている。今回導入したシステムをどのように有効活用して省人化や非接触など新たな付加価値を提供できるか、現在も施設担当者と活発な論議が交わされているという。ニューノーマルな時代の新たな百貨店の形が見られる日が楽しみである。

製品とソリューション

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小売業

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