ビッグイージーがセーフシティプロジェクトに着手
ニューオーリンズのリアルタイム犯罪センターが初動対応人員のすみやかな状況把握を可能にするためにAxisのカメラを統合 このソリューションによってケース対応のスピードと、人出の規模を監視する体制が大幅に強化されました。
ミッション
ニューオーリンズ市は市全域を対象とする公共安全プロジェクトを発表すると同時に、市警察とパートナー機関の犯罪防止、摘発、調査の主軸としてビデオカメラを役立てるという計画を策定しました。 市当局は、911緊急派遣センターへの通報と事件や事故の付近のビデオカメラと調整し、適切な対応者にリアルタイム情報を伝えるソリューションを提案しました。
ソリューション
ニューオーリンズ市は、スタッフが市内全域に展開されたパノラマ、固定、PTZ (パン/チルト/ズーム) の各種Axis製ビデオカメラを組み合わせたビデオストリームを監視できるリアルタイム犯罪センターを建設しました。 その24時間365日体制のオペレーションでは、MotorolaのCommandCentral Awareソフトウェアを使用して、コンピューターに支援された市の911緊急派遣センターを通じて提供される位置情報データと、GenetecのSecurity Centerとビデオ管理システムStratocastで管理されるAxis製カメラのGPS座標が統合されます。
緊急派遣センターが通報を受けると、適切なカメラビューが犯罪センターのモニターに表示されます。 それを受けて犯罪センターの技術者が付近で起こっていることを追跡し、その状況認識を警察や他の対応者と共有できます。
結果
発足以来、犯罪センターは真の戦力倍増装置であることが証明されています。法執行機関が群衆の集まり具合を監視したり、自動車や歩行者の往来を追跡したり、パレードのルートに沿って発生する可能性のある事件に目を光らせたりするのを支援します。 2018年のマルディグラの期間中、リアルタイム犯罪センターは、数件の暴力犯罪や飲酒運転の疑いを含む50件以上の事件のすみやかな解決に貢献しました。
民間スタッフはAxisのカメラを使用して何百件もの出動要請を効果的に確認、検証し、警察や消防や救急医療などの他の機関が誤報に惑わされたり、出来事の目撃者を追跡するのに何時間も費やしたりするのを防ぎます。
コミュニティの安全のための先回り戦略
ビッグイージーで安全を維持するのは簡単なことではありません。 人気の観光地であるニューオーリンズでは、有名なフレンチクォーターに毎日何千人もの人が訪れ、その多くは真夜中までパーティーで盛り上がります。 華やかなマルディグラのお祝い (11日間で34回分のローズボウルパレードに相当) で有名なこの街では年間を通じて他にも数え切れないほどのホリデーパレードが開催され、全国的なスポーツイベント、コンベンション、音楽祭、地域の祭典も開かれます。
人混みが予想される場面が非常に多いため、法執行機関が都市犯罪を未然に防ぎ、住民にとっても観光客にとっても安全で居心地の良い場所にするには、絶え間ない警戒が必要です。
ニューオーリンズ市公共安全・国土安全保障局のRoss Bourgeois氏は次のように述べています。「人と物の流れという視点で見ると、簡単なことではありません。 所属する警察官は1,500人未満です。 それでも、テクノロジーを活用して問題を先取りし、警官がよりスマートかつ効果的に動けるように支援しているので、他の都市よりもうまく大規模イベントを制御できています」
Bourgeois氏は、市の新しい統合型公共安全イニシアチブにも言及しています。これは、複数の官民のリソース (Axis製ビデオカメラ、ナンバープレートリーダー、911コールセンター) から積極的に情報を引き出し、警察のパトロールと初動対応要員が現場で起きていることをより正確に把握できるようにする取り組みです。
複数のソースからの情報を即座にブレンド
オペレーションの焦点は、民間の技術者が24時間365日体制で監視を行うリアルタイム犯罪センターです。 犯罪センターには、ビデオウォール、ワークステーション、Genetecのビデオ管理システムがあり、市の公共安全・国土安全保障局の公共安全サポートサービス支局が市全域に展開している約400台のAxis製HDTV画質ビデオカメラの画像を受信しています。
911緊急派遣センターが派遣要請や通報を受けると、位置情報とその他の関連情報がMotorolaのPremierOne CADアプリケーションに記録されます。 MotorolaのCommandCentral Awareソフトウェアによって、その位置情報データが付近のAxis製カメラのGPS座標と関連付けられます。 これにより適切なカメラを犯罪センターのビデオウォールに表示できます。 民間の技術者は、こういったインプットを駆使して、警察と初動対応要員が現在の状況に対処するために必要な、重要な状況認識を提供します。
適切なカメラをまさに必要な場所に配置
戦略的に展開されたカメラの有益性は証明済みです。 ニューオーリンズリアルタイム犯罪センターでIT/COMMSマネージャーを務めるGeorge Brown氏は次のように述べています。「取り付け場所によってそれぞれ独自のハードルがあり、これを何とかするには、Axisの豊富なポートフォリオが何より適していました。 おかげでカメラに合わせ場所を選ぶのではなく、ニーズに基づいて設置場所を選べました」
有名なバーボンストリート沿いへの設置がその好例でした。 Brown氏は、「すべての交差点にHDTV画質のAXIS Q60 Series PTZ Network Camerasを取り付けました。 PTZとパノラマビューを組み合わせたカメラを選んだことで、各交差点の鮮明な画像が得られ、四方の通りをくまなく見わたせるようになりました」と述べています。
交差点カメラの視野外にある領域をカバーするため、各ブロックの中央にHDTV画質のAXIS Q37 Series Fixed Dome Network Cameraが設置されました。 ブラウン氏によると現在ニューオーリンズ市は、市内全域のセキュリティの課題に対応するために10種類以上のAxis製カメラモデルを導入しています。
多様なポートフォリオのおかげで、ニューオーリンズ市はリバーフロントから、数マイルにもおよぶ遊歩道、地下道に至るまで、あらゆる地形に適したAxis製カメラを選択でき、洪水が起こりそうな状況の監視に役立てています。 移動式レーラーに搭載されたAxis製PTZネットワークカメラもあり、必要に応じて担当部門がさまざまなホットスポットやポップアップイベントに移動できます。 場合によっては、3つのポール取り付け具を使用して高画質画像のライブストリーミングに特化したAxis PTZネットワークカメラを展開することもできます。
ほとんどの設備では、カメラに視認性を高めるための赤と青のライトが付けられています。 「私たちのプログラムについては何も隠すようなことはありません。 カメラがそこにあることをコミュニティに知ってもらい、カメラがあるからより安心していられるのだと感じてもらいたいのです」(Bourgeois氏)
振り払え!
海抜より低い土地にあるニューオーリンズは、雨、道路粉塵、花粉の影響をとても受けやすいことで知られています。 水平線の上下も鮮明に映すレーザーフォーカスを備えたAxis Sharpdomeテクノロジーに加えて、Bourgeois氏が特に便利だと評価するもう1つの機能が、水を振り落とせるスピードドライ機能です。 「当市のように天候の変化が激しい都市では、これが重要なのです。 この機能がなければ、レンズを拭かせるために毎日人員を派遣することになります」(Bourgeois氏)
最も必要なリソースに絞り込む
リアルタイム犯罪センターの目標の1つは、警察やその他の機関が限られたリソースをより効果的に投入できるように支援することです。 Bourgeois氏は、店の前で少年がタップダンスをしていてお客様が入店できないと言って緊急派遣センターに通報してきた店主の例をあげます。 技術者がビデオを見ると、通報があった後、タップダンスをしていた少年はもう移動していました。 この情報がパトロール中の警官に伝わったことで、何もないところに駆けつけて時間を無駄にせずに済みました。
Bourgeois氏は、ビデオカメラで可能になった視覚的な確認や検証が、銃撃や車の盗難から暴動に至るまで、幾多の調査に役立ってきたと言います。 視覚的な証拠があることで、警官が目撃者を探したり、証言を集めたり、過失を判断したりするためにおびただしい時間を費やさずに済むことも少なくありません。
犯罪センターはAxisのカメラを使用して、現在の人出と交通状況に基づいて、患者のところに至るまでの最適なルートに関する情報を救急医療サービスに提供しています。 別の例としては、一部の地下道に設置されたカメラで、公共事業部門に海抜が低い特定の通りの封鎖を促す洪水センサーからのアラートを確認する用途などがあります。
「公共の安全に加えて、不法投棄の抑制からフェスティバル後のゴミ拾いのための地上要員の派遣に至るまで、生活の質に関するあらゆる問題をサポートするためにカメラを使用しています。 それが私たちの街を住むにも訪れるにも魅力的で快適な街にするのに役立っています」(George Brown氏)
Axisのカメラで出動要請が何であるかを確認、検証することで、警察はより効率的かつ効果的に動けるようになります。 これにより、コミュニティと交流してより良い関係を築くための時間が増え、それが結果的に犯罪防止にプラスの影響を与えることになります
官民の協力によるカバー範囲の拡大
犯罪センターは、他の政府機関、地元の企業、個人宅の協力を得て、市内全域でカバー範囲を拡大し続けています。 「私たちのソリューションはオープンスタンダードをベースにしているので、さまざまなビデオソースを犯罪センターのシステムプラットフォームに統合できます」(Brown氏)
最初のフェーズは、市の庁舎に取り付けられた公衆カメラの統合でした。 続くフェーズでは、地元企業や地域住民が屋外に設置している防犯カメラを市全域のネットワークにも活用させてもらうためのアウトリーチプログラムなどが予定されています。
Ross Bourgeois氏は、「どこかのカメラの近くで事件が発生したというアラートが届いたときに、近くのプライベートカメラの画像も確認できるようにしたいと考えています。 状況認識の材料が多ければ多いほど、皆さんの力になれるのです。 皆さんのカメラを1つのシステムに集約することで、市全体の公共安全プロジェクトの効果は飛躍的に拡大します」と述べています。
ビッグイージーの安全を見守る目
ニューオーリンズリアルタイム犯罪センターは、市の公安当局による犯罪の摘発と捜査を支援することを目的として、2017年に開設されました。 これを実現するため、パノラマ、固定、PTZの各種Axis製ネットワークカメラを組み合わせて市内全体に配備し、Motorolaのソフトウェアを使用して位置情報データをカメラのGPS座標と統合しました。 このシステムにより、センターのスタッフは24時間体制でビデオストリームを監視し、911緊急派遣センターへの通報に合わせてリアルタイムの情報を対応者に送信できます。 その結果センターは、警察が事件をすみやかに解決し、誤報に惑わされる時間を減らすための戦力倍増装置になりました。 彼らのストーリーをご覧ください。