医療現場での乱暴な行為や苦情に立ち向かう
CoxHealth は Axis 製ボディカメラを取り入れて職場での暴力に対応し、乱暴な行為を鎮め、公安・セキュリティの担当者や一般の人々がより高い基準で行動できるよう努めています。
課題
ミズーリ州南西部を拠点とする一流の医療施設運営会社であるCoxHealthは、当時採用していたボディカメラの信頼性に問題があったため、よりよい代替ソリューションへの変更を検討していました。 同社は、起動やオフロードが容易でありつつも司法上の捜査に利用できる質の録画が得られる、耐久性の高いテクノロジーへの投資を考えていました。 効率を最適化するには、同社が既に取り入れていた Genetec のビデオ管理システムとの互換性を備えたソリューションを導入することが重要でした。 また、ソリューションには特定のインシデントの経過を素早く特定して確認できる検索ツールが備わっている必要もありました。
解決策
Axis のパートナーであるシステムインテグレーター NetWatch が、Axis のボディカメラ製品を調整して CoxHealth の各病院に提供しました。 各病院には、Axis のシステムコントローラー、ドッキングステーションに加え、Klick Fast MOLLE マウントを備えたボディカメラが届けられました。 カメラの台数を抑えるため、NetWatch は RFID カードリーダーをシステムコントローラーに 4 か所で追加し、担当者のキーフォブを読み込み、各自のシフトに合わせてカメラが自動的に割り当てられるようにしました。 シフト終了時に担当者がカメラをドッキングすると、Genetec のビデオ管理システムへとビデオが自動的にオフロードされ、カメラはその場で割り当てが解除され、次のユーザーのために充電される仕組みとなっています。
成果
司法上の捜査で活用できるビデオや音声が Axis のボディカメラで捉えられるので、CoxHealth は今まで以上にクリアで明確な証拠を用いて、詳細な証拠が必要とされる事件を解決できるようになりました。 こうして同社は、担当者に向けられた無意味な苦情や虚偽の苦情を素早く退けられるようになりました。また、武器の所持に関連する暴行罪として、当初想定されていたより重い罪で加害者を提訴できた一件もありました。 カードリーダーにより、利用可能なカメラを各シフトに無作為に割り当てられるので、CoxHealth は各病院で必要なカメラの台数を最小限に抑えることができました。 録画はまた、担当者が自己評価を実施したり、職場での暴力や乱暴な行為のインシデントへの今後の対応を改善したりするのに役立つ貴重なトレーニングツールとなることも認識されました。
「CoxHealth は、ボディカメラを Axis 製に切り替えるという賢明な判断を下しました。 このボディカメラは丈夫で、担当者が使いやすく、ビデオや音声の品質も抜群です。 また、Axis とインテグレーターの NetWatch からは、素晴らしいサポートを受けています。」
エスカレートする乱暴な行動に対処する
100 年以上前にスプリングフィールドの二世帯向け住宅で小さく事業を立ち上げた CoxHealth は、ミズーリ州南西部の一流の医療機関運営会社へと成長しました。 同社のネットワークは 25 郡を網羅し、病院 6 件、診療所 80 件超、救急科 5 か所に加え、予約不要のクリニックや緊急治療用の施設も構えています。 CoxHealth 傘下の施設では通常、140 万件を超えるクリニックでの診療、26 万件の救急救命治療、緊急のケア、外傷の手当が年間に実施されています。 同社がスプリングフィールドに構えているレベル 1 の外傷治療センターだけでも、年間 8 万人の患者に対応しています。
全国の他の医療機関と同様に、CoxHealth も職場での暴力に日々直面しています。 CoxHealth の Alan Butler 公安・セキュリティ関連システム部長は、「医療現場では常に暴力が発生しており、特に患者からの暴力がよく見られます」と述べた上で、 「ここ 2 年ほどでは、暴力や乱暴な行為の深刻度が爆発的に高まっています」と指摘しました。
すべてのインシデントをライブで捉える
この事態に対処すべく、CoxHealth は同社のセキュリティ担当者にボディカメラを装備させて、インシデントを記録し、状況の改善を試み、担当者に向けられた虚偽の苦情に対応できるようにしました。 しかし、導入当初は担当者がテクノロジーをうまく使いこなせませんでした。 Butler 氏は、「機器が壊れやすく、録画の質も良くなかったのです」と述べました。
CoxHealth は代替となるシステムを探し続け、Axis のボディカメラシステムを遂に見つけました。 「Axis のボディカメラは従来の製品と比べて各段に丈夫で、ユーザー目線の作りとなっているので、操作しやすいと実感しています。」とButler 氏はコメントし、 「ボタン一つで起動できます」と付け加えました。
また Butler 氏は、録画済みのビデオが簡単にオフロードできることも高く評価しています。 担当者がシフト終了時に Axis のドッキングステーションにカメラを設置すると、ビデオが自動的にオフロードされ、サーバーへと送られる仕組みになっています。 ドッキングステーションはカメラの充電機能も備えているので、次のシフトの担当者がカメラをすぐに使用できます。
担当者がすべてのインシデントを完全に記録できるよう、CoxHealth はボディカメラに 30 秒のプリバッファを設定しました。 Butler 氏は、「実際のインシデントの多くは、担当者が起動ボタンを押すタイミングの前から発生しています」と説明した上で、 「プリバッファのおかげで、担当者が現場に向かっている間も状況をバックアップとして記録し、確認できるようになりました」としています。
また、Axis の製品が CoxHealth で既に採用していた Genetec 製のビデオ管理プラットフォームに統合できたことも重要なポイントでした。 Butler 氏は、「当社ではスタンドアロンのシステムは求めていませんでした」とし、 「システムインテグレーターの NetWatch が、統合を実にスムーズに実現してくれました」と述べました。
異なるシフト間でカメラを共有
CoxHealth では 24 時間体制を取り入れているため、同社は 8 時間のシフト 3 回を組み合わせて担当者を配置しています。 特定のカメラを各担当者に恒常的に割り当てると、全 3 回のシフトのうち 2 回分にあたる時間にカメラが待機状態となってしまうので、CoxHealth は NetWatch と協力してコスト効率を高めた代替案を取り入れました。
解決策として、RFID カードリーダーをシステムに追加するという案が採用されました。 カードリーダーの追加により、担当者が各自のキーフォブをスワイプすると、ドッキングステーションにあるカメラのうち利用できるものが、システムコントローラーにより自動的にその担当官に割り当てられるようになりました。 また、この案を導入したことで担当官の認証情報を録画にリンクできるようになり、正確なアーカイブや情報の取得が可能となりました。 NetWatch の上級アカウントマネージャー、Matt Haley (マット・ヘイリー) 氏は、「この成果はまさに、NetWatch の主任プログラマー、Axis のテクニカルサポート、Genetec 間の協力の結果です」とコメントしました。
Alan Butler 氏は、「この解決策を採用したことで、安全やセキュリティに妥協することなく、当社のカメラへの投資効果を最大化できました」と強調しました。 同氏はまた、「現在に至るまで、担当者と録画のミスマッチが生じたことは一度もありません」とも述べています。
気付きにくい細部を明らかに
CoxHealth は、カメラに記録された録画を用いて担当官に向けられた不等な苦情に反論することがよくある、と Butler 氏は述べました。 カメラはインシデントに直接関与していない第三者の証人のようなものだと、同氏は表現しています。 また、カメラを利用することで、状況の詳細を当初想定されていた以上に明らかにできる場合があります。
Butler 氏から、スプリングフィールドの病院における暴行事件についての話を伺いました。 CoxHealth がビデオをフレーム単位で確認した際に、加害者は当初考えられていた以上に重い罪で告発されるべきであることが分かりました。 Butler 氏は、「当初は、加害者が担当者をパンチしたという単純な事件だと考えられていたのです」とした上で、 「しかし、録画をフレーム単位で見直した際に、加害者が指に鍵を挟んで武器となるような拳を作っていたことが明らかになりました」と続けました。
監視カメラを自然に設置
Axis 製ボディカメラにより、CoxHealth におけるセキュリティが一層向上し、同社の病院や診療所に既に導入されていたその他の Axis 製カメラ数百台も同時に強化できました。 「CoxHealth は Axis 製品群を過去 10 年以上にわたり標準設備として取り入れており、同社が従来利用してきた旧式のアナログカメラやビデオエンコーダを、Axis が提供する最新のテクノロジーへと徐々に切り替えています」と、NetWatch の Matt Haley 氏は説明しました。
CoxHealth におけるもう一つの例として、AXIS P37 シリーズのマルチセンサーカメラの戦略的展開が挙げられます。同社は、カメラの台数やライセンス料金を抑えつつ、屋外をより広範にカバーすることに成功しています。 AXIS Q-line PTZ (パン/チルト/ズーム) カメラにより、敷地に出入りする車両のナンバープレートをセキュリティ部門がしっかりと捉えられるようになっています。 また、AXIS M31 シリーズの製品の視野は非常に広いため、自動調剤キャビネットが配置されている待合室や廊下といった重要な場所も常に監視できます。
作業に不可欠なツールを提供
CoxHealth は、同社がこれまでに取り入れてきた Axis 製カメラと同様に、今回新規導入した Axis 製ボディカメラもさまざまな面で価値を高めていると考えています。
Butler 氏は、「当社の担当者らは、今回導入したカメラを非常に重宝しています」と述べ、 「不等なクレームから自分達を守るために必要なツールであると同時に、対立を問題化させないためのツールでもあると考えているようです」と続けました。
担当者は、インシデントレポートを作成する際に各自の録画内容を頻繁に確認して、イベントのタイムラインや経過を正確に記録しています。 また、担当者と上司は、録画を活用してトレーニングや自己評価を実施しています。
Butler 氏は、「トレーニングに付加価値をもたらしてくれるので、ビデオは非常に貴重です」と述べ、 「実際に発生したイベントを客観視することで、学習上の価値を大きく高められます。 担当者はたいてい、ビデオを見ることで改善すべき点に自分で気付き、同様の状況に再び直面した際はどのように対処するかを説明してくれます。 この過程が、一人ひとりの安全を確保する、プロとしての成長につながるのです。」と説明しました。
Butler 氏は、「このシステムを導入したことで、NetWatch からはもちろん、Axis や Genetec からも必要なサポートが得られるようになりました。」と語り、 「関係者全員が一体となり、チームとしてうまく機能できているので、今回システムを導入して本当に良かったと感じています」とコメントしました。