グローバル物流企業の安全でスマートな業務を支える統合型セキュリティソリューション
英国のセキュリティインテグレーター、Acctive SystemsはAxisが提供する最先端ソリューションの設計と仕様を活かし、敷地周辺の保護、損失防止、健康と安全性の要件を満たしています。
電子セキュリティシステムインテグレーターのAcctive Systemsは英国を代表する非公開会社の1社であり、特に物流業界での経験が豊富です。 あるとき、物流と配送に特化したグローバル企業から、英国ミッドランズで最も大規模で重要な流通センターとなっている拠点の保護支援についてAcctive Systemsに問い合わせがありました。問い合わせを受けたAcctive Systemsが白羽の矢を立てたのは、同社の信頼できる技術パートナーであるAxis Communicationsです。 Axisの革新的な技術が下支えすることで、Acctive Systemsは包括的なセキュリティパッケージの一環として最高水準の保護と健康および安全の向上、継続的なコスト削減を実現するソリューションを開発を行うことが可能になります。
当時、この顧客が英国に保有する最も重要な配送センターで導入していたセキュリティ対策は、多数の警備員がアナログのCCTVカメラのネットワークに支えられた拠点を巡視するというものでした。 ところがビジネスの急速な成長と共に拠点を経由する高価値な物品の数が増加したことで、既存のシステムを最新の需要に対応できる最先端のソリューションに置換するという決定が下されました。 新たなソリューションには、内外の脅威への保護だけでなく、作業環境の安全性を向上させることも求められていました。
高度な水準の境界保護を配備
このソリューションの導入が完了した現在では、300 x 200メートルの大規模な拠点全体に180台のAxisネットワークカメラが設置され、内蔵の分析機能により人と車両の区別が行われています。 敷地周辺では、ナンバープレート自動認識 (ANPR) カメラが高度な車両識別を実行し、認証済みの配送トラックへのスムーズな通行支援が行われています。 犯罪行為や不法侵入を抑止するため、拠点周辺のカメラによりトリガーされるIP音声スピーカーが、警告や事前定義済みのリアルタイムアラートを発動する万全の態勢が整っています。
Acctive Systemsでテクニカルセールスとテクニカル設計者を兼務するAndy Moseley氏は次のように語っています。 「Acctive Systemsはこの拠点に、驚くほど強力なセキュリティソリューションを導入しました。 人がただ建物に歩いて近づき、立ち入りを試みることすら不可能です。 このシステムは非常に洗練されており、すべてのカメラや分析機能、IP音声、アクセス制御を相互接続することで、予期しない訪問者を警戒しています。 お客様は非常に円滑に運用されていて、現在では社内外に適用されるセキュリティ規定もこの一環となっています」
紛失を防ぎ、内部の脅威を抑止
倉庫内では巨大なローラーシャッターの上に複数のカメラが配置され、1階の理想的な視点を確保しながら、主要なアクセスポイントの通過を監視しています。 Axisはオープンプラットフォームアプローチを採用しており、シームレスにリンクするサードパーティ製のアクセス制御メカニズムや侵入者アラームをAxisのネットワークカメラやIP音声ソリューション、集中的なビデオ管理システム (VMS) に簡単に導入することができます。 また内部盗難が大きな懸念となっていることから、多数の梱包作業台を対象とするミニドームカメラも配置され、品質管理を兼ねた収益保護のツールとして運用されています。 必要に応じてすべての物品の梱包作業を記録した高解像度ビデオを取得することができ、質問や係争の解決に活用されています。
Moseley氏はまた、次のように指摘します。 「たとえばこんな状況を思い浮かべてください。拠点から1台のトラックが出発するところですが、荷積みされていない注文品が1つあります。 配送マネージャーは、Axisのレコーダーでこの特定の注文に関連する梱包エリアのビデオ証拠を確認し、それを荷積みエリアの映像と比較して、何が起きたかをすばやく確認できるようになりました。 この確認によってセキュリティに関する状況と純粋な過失を区別する手がかりを得ることができ、最終的には業務時間と費用の節約になります」
健康と安全のための監視
トラックは次々に発着するため、配送および集荷エリアでは繁忙な環境を可能な限り安全に保つことが不可欠です。 スタッフはこの場所に常に注意を払う必要がありますが、その分テクノロジーが活躍する余地があります。 監視カメラとIP音声技術を組み合わせるとインシデントが生じる可能性を大幅に減らすことができ、また万が一イベントが発生した場合にも重要な証拠を得ることができます。
カメラ上の分析機能を設定することで、シーン内の異常を検出して迅速に対処できます。車両の接近や危険性をはらんだ状況をIP音声スピーカーで警告するように設定することも可能です。 この機能は作業員に正しい手順を再認識させ、拠点全体の健康および安全基準の向上を手助けします。
健康と安全、またセキュリティの目的で、音声を関連性の高いゾーンで放送し、メッセージを適切な人に確実に届けることもできます。 たとえば防火訓練を実施する際は、警告音と共に音声アナウンスを放送し、特定のエリアの従業員に集合地点の数と場所を再認識させることができます。 その際、事前定義したドアのうち、解放するドアをVMSソフトウェアで指定することが可能です。 指定された集合エリアで作業員がサードパーティ製の近接型カードリーダーにIDカードをかざすと、人数を記録する自動点呼システムが作動します。 このようにして、従業員全員を自動化された方法で迅速かつ正確に点呼できます。
AXIS Site Designerの力を活かす
このプロジェクト用に幅広い技術を用いて設計、実証する能力が必要になると判断したAcctive Systemsは、AXIS Site Designerを活用しました。革新的なWebベースのツールであるAXIS Site Designerを利用すると、セキュリティと監視システムの設計が簡素化されて効率化するほか、見積もりワークフローの支援を受けることができ、プロジェクトの要件特定や修正、実装作業も容易になります。 このアプリケーションでは仮想空間にカメラが配置され、そのカバレッジも視覚的に立証されるため、憶測での作業を回避することができます。 この立証は視野に影響する死角などの潜在的な問題の特定に役立つだけでなく、内蔵の分析機能を適正に動作させる上でも不可欠です。
Moseley氏は次のように説明しています。 「AXIS Site Designerは、Acctive Systemsの作業手法を根本的に変化させた強力なツールです。 施設の画像や計画を取り込み、計測値を入力した後、カメラやレンズ、音声デバイス、その他のテクノロジーを含むソリューションを組み合わせると、設置の全体像が仮想バージョンで表示されます。 お客様の施設に足を踏み入れることなく、ソリューションの全機能をお客様に実演してお見せできるというのは驚くべきことです。 このような大規模なプロジェクトでは、ストレージ要件からPoEスイッチの数、光ファイバーケーブルの長さまで、多くの考慮事項があります。お客様から質問を受ける際も、目の前に詳細な図面を提示することで非常にプロフェッショナルな印象を与えることができます」
このプロジェクトは大きな成功を収め、ミッドランズの拠点における物流業務の変革に貢献しました。 この顧客はAxisのセキュリティおよび監視ソリューションの機能、細部への配慮、そしてAcctive SystemsとAxisのパートナーシップにより提供された全体的なサービスに深く満足しています。 Acctive Systemsでは現在、健康と安全性の向上、ビジネスのより広範な業務の保護と強化を目指し、同じ高品質のセキュリティ対策をそっくり別の拠点に導入する計画の見積もりを作成しています。