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行政機関

ライブカメラによる軽井沢町の観光情報や交通情報の提供(実証実験)

組織: 長野県軽井沢町役場
場所: 長野県北佐久郡軽井沢町, 日本
顧客のニーズ: リモート監視
長野県北佐久郡軽井沢町, 日本, 

軽井沢町の交通渋滞緩和に期待


課題

軽井沢町は日本国内でも有数の観光地として長年多くの観光客に親しまれている観光名所だ。多くの観光客が訪れるこの町の交通状況をより良くするため、軽井沢町は2014年頃からライブカメラ設置による、観光情報や交通情報の提供に取り組んでいる。軽井沢町の特徴として、多くの観光客が町に訪れるため、他の町と比べ交通量の多い町となっている。しかし、現在利用しているカメラは、ライブ映像表示に1アクセスあたり30秒の制限があり、30秒経過すると映像を視聴することができないといった多くの課題があった。このような課題に対して、株式会社シーティーエスはAXIS製カメラを利用して、軽井沢町役場と現状改善を視野に入れた実証実験の取り組みを2022年7月15日より開始した。

解決策

軽井沢町ライブ配信カメラ実証実験では、2022年7月から国道18号新軽井沢西(ソーラーパネル+Q1656-LE)、プリンス通り(ソーラーパネル+P1378-LE)、旧軽井沢ロータリー(P3265-LVE/M3058-PLVE)、旧軽井沢ロータリー(M3058-PLVE)、泥川の御幸橋 (P1375-E+TU1001-VE)の5箇所にライブカメラを設置した。課題となっていたサーバー費用はクラウド型に移行することにより、比較的安価に利用が可能となり、30秒経過すると映像が視聴できなくなる課題も新たにYouTubeを利用したライブカメラシステムを導入したことにより解決した。さらに、AXIS Live Privacy Shieldによるリアルタイム動的マスキングにより、プライバシー保護を目的とした車両ナンバーや人物のマスキングに活用されている。電源設備のない箇所はソーラー発電装置を利用することで、ライブカメラの電力をつくり出している。2022年9月には、雲場池(Q1798-LE/P1468-LE)、浅間山(Q6135-LE)の2箇所にも新たにライブカメラの設置し、質の高い映像配信ができることから観光PRを目的とした活用が期待される。

効果

今回の軽井沢町での実証実験はまだ途中経過ではあるが、202292日時点では旧軽井沢ロータリーのライブカメラ配信は合計約4万回アクセスされており、視聴時間は約2,500時間相当と多くの方に利用されていることがわかった。泥川の御幸橋のライブカメラ配信では、水位上昇をライブカメラで確認することができるため、役場の職員や町民が泥川まで確認に行く必要がなくなった。実証実験を通してシーティーエスが提供するライブカメラ配信の効果を感じつつある。今後、観光PRや交通渋滞緩和を目的としたライブカメラの活用が大いに期待される。

ライブカメラ配信で商店街の状況や交通状況などをクリアに確認でき、
車のナンバーや人を隠すためのモザイクも正確にできて満足できています。
ここまで綺麗にライブカメラで町の様子を確認できるのは、Axisカメラのクオリティの高さだと感じています。
眞庭 肇
軽井沢町総合政策課 情報係 主査

システム導入の背景と詳細

軽井沢町は長野県の東端、群馬県境に位置し、避暑地として国内外多くの方が訪れる日本を代表する国際リゾート地として知られている。多くの観光客が訪れる軽井沢町は2014年頃から軽井沢町に訪れる方々に対してライブカメラ設置による観光情報や交通情報の提供に取り組んでいる。季節を問わず多くの方が出入りするこの町は混雑を極力避けるため、リアルタイムでの交通情報提供は非常に重要な役割を担っている。観光客にどのような交通状況かリアルタイムで情報提供をし、混雑が少ない道や交通手段を選んでいただくためだ。

軽井沢町役場

軽井沢町が実証実験を始めたきっかけは、長野県小諸市がAxisのパートナーであるシーティーエスと高峰高原で実証実験を始めたのを2021年11月に軽井沢町職員が知り、軽井沢町でのライブカメラの活用に興味を持ったことだ。2014年頃から使用しているライブカメラシステムは、カメラが古くて故障箇所があったことや古いライブカメラの更新時期だったため、2022年初旬にAxisカメラを利用し、軽井沢町とシーティーエスで実証実験を進めることとなった。

これまでは独自のサーバーを利用し、軽井沢町のホームページ上でライブカメラ配信をしていたが、国内でさまざまな自治体がYouTubeによるライブ配信を利用していることから、軽井沢町もYouTubeチャンネルを使い試験的にライブカメラ配信を開始した。実証実験前に利用していたカメラでは自前のサーバーを利用しており、「10秒~30秒くらいで配信カメラが止まってしまう。」という大きな課題があった。多くの方がライブカメラの映像を視聴するとサーバーに負荷がかかるため、リアルタイムでの映像提供が難しい状況だった。さらに、ライブカメラの画像が粗いため、より質の高い映像を求める声などの改善要望もあった。

このような課題に対して、実証実験ではクラウドシステムを採用し、サーバーに負荷がかからずリアルタイムで品質の高い映像を長時間配信できるシステムを構築した。映像がクリアになったため、プライバシー保護にも工夫しAxisのポリゴンプライバシーマスク機能で民家などの固定エリアをモザイクマスキング処理し、AXIS Live Primacy Shieldによって車両や人物などの動体をリアルタイムでモザイクマスキングする処理をおこなった。

軽井沢道路

2022年7月から国道18号新軽井沢西(ソーラーパネル+Q1656-LE)、プリンス通り(ソーラーパネル+P1378-LE)、旧軽井沢ロータリー(P3265-LVE/M3058-PLVE)、旧軽井沢ロータリー(M3058-PLVE)、泥川の御幸橋 (P1375-E+TU1001-VE)の5箇所にライブカメラを設置した。以前のライブカメラの設置場所は、電源コンセントがあり、町のネットワークに接続できる場所と限定された箇所への設置しかできず、映像を配信する場所もわかりづらい等の問い合わせも多くあり課題と感じていた。このような課題を解決するために、ソーラーパネルを設置することで、電源コンセントを利用できない場所でも、ライブカメラの設置を可能にした。

まだ実証実験を行なっている段階ではあるが、以前のライブカメラではリアルタイムで10秒〜30秒程しかライブカメラで映像を視聴できなかったが、実証実験を通して、リアルタイムで映像が止まらずに利用できている点は、省人化に繋がっているようだ。今までは職員の足で直接現場に状況を確認しに行っていた。しかし、実証実験でのライブカメラ配信を通して、軽井沢町の交通対策として、お盆休み中にリアルタイムの渋滞情報などを軽井沢町ホームページやツイッター、FM軽井沢で情報を発信することができるようになった。また、Axisカメラの製品品質に加えて、シーティーエスが提供するソリューションで細かいカスタマイズを実施し、ライブカメラ配信に広告などを掲載できる点も今回の実証実験での新たな取り組みだ。

2022年9月からは2箇所にライブカメラを設置した。1箇所目のコンセプトは観光と風景で、雲場池に設置した。設置理由として、紅葉の季節になると多くのお客様が来られる観光スポットとなっており、毎年多くの方からの問い合わせが来るため、ライブカメラを利用することでリアルタイムに紅葉状況を発信できるからだ。2箇所目の浅間山には古いカメラが設置してあるため、現在利用しているライブカメラと比較するために新たに設置した。今までは防災的な観点で雰囲気が分かれば良いくらいの感じで設置していたが、今回設置するカメラは景観用という面でもとても期待されている。「観光向けとしてもどれだけ景観を綺麗に映すことができるか。」という点が今回の新たなチャレンジとなっている。


軽井沢町のHPでアクセス数が最も多いページは、軽井沢町の映像を流しているライブカメラ配信ページとなっている。ライブカメラ配信の需要は多くあるため、この実証実験を機にウェブを利用した情報提供に力を入れていきたいと思っているようだ。国際的な観光地として知られている軽井沢町。ライブカメラ配信による実証実験の新たな取り組みでは、確実に効果が出ているように感じる。これからの軽井沢町のライブカメラを活用した取り組みに大いに期待したい。

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Axisのパートナー組織

株式会社シーティーエス/CTS Corporation

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