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小売業

24時間営業のスポーツジムで無人オペレーションと顧客サービスを支えるAxisの共連れ検知システム

組織: 株式会社 三福ホールディングス 「P・SPO24」
場所: 愛媛県松山市, 日本
顧客のニーズ: 運用効率
愛媛県松山市, 日本, 

Axis音声ソリューションとACSを組み合わせることで抑止効果の高いシステムを実現


課題

株式会社三福ホールディングスが運営する24時間制スポーツジム「P・SPO24」は愛媛県松山市内を中心に現在15店舗を展開している。店舗の半数は無人店舗で、有人店舗も夜間はスタッフが常駐していないことから、その間の顧客対応と防犯対策を確実かつ効率的に行う必要があった。これまで会員の入室管理に静脈認証を利用していたが、1店舗あたりの導入にかかる費用が大きく、管理できる会員数にも限度があった。このため店舗数・会員数の増加に伴い、より多くの会員数に対応できる新たなシステムの導入が検討された。新システム導入を機に、会員の入場時に複数の方が同時に入場する共連れを検知することで、不審者の侵入と非会員の入場という不正利用の防止と、会員おひとりずつの正しい利用時間の把握をより確実に実施したいという要望もあった。

解決策

この要望に応えるべく、株式会社ウインは、顔認証システムに、Axisの共連れ検知とネットワーク音声スピーカーAXISC1410を組み合わせたソリューションを提案し採用された。共連れが検知された場合にはAXIS M3064-Vで撮影されたスナップショットがAXIS Camera Stationを通じて、店舗外にいる運営スタッフへメール送信される。同時に店舗では「未登録の会員様です」「お一人ずつご入場ください」 といった音声によるメッセージがスピーカーから流れ、お客様に知らせるしくみとなっている。運営スタッフは、現地の画像をリモートで確認できることから、必要な場合のみ店舗へ赴き、顧客サービスに集中できる効率的な運営を可能にする体制が整った。

効果

これまでは、共連れ検知時などのお客様へのアラートはブザー音が使用されていたため、アラートの理由をはっきり伝えることはできなかった。今回のシステムにより音声メッセージでお客様に丁寧かつ具体的にお知らせすることができるようになった。さらにアラートの原因が他のお客様にも認識されることで、以前よりもより高い抑止効果を実感しているという。 現在も、P・SPO24では非接触が推奨されるニューノーマルな生活様式に対応すべく、ネットワーク音声システムを利用したさらなる運用が日々検討されており、実現される日も近い。顧客の安全と高いサービスを保ちながら人の接触を避ける無人オペレーション店舗はますます社会から求められ、発展していくものと期待される。

音声によるアナウンスはお客様目線の観点からもサービス向上につながり、また不正利用の抑止としても役立つと感じています。この機能を今後もっと様々な用途に活用していきたいと考えています。
村上 晃平 氏
株式会社 三福ホールディングス SPウェルネス事業部 取締役部長

システム導入の背景と詳細

株式会社三福ホールディングスは、「我々のすべての活動は、人間の幸福を目的とする」を企業理念に、愛媛県松山市を中心にスポーツ・美容・健康事業を多角的に行っている。中でも24時間制スポーツジムP・SPO24は、続けやすい月額価格とサービスが好評で着実に会員数を伸ばしてきた。P・SPO24の24時間営業には、夜間無人となる時間帯の入退室管理と安全対策が必須であった。これまでは静脈認証システムを入れていたが、登録できる指紋の数に上限があった。増え続ける会員数が6000名近くになっていたことやフランチャイズビジネスを展開する上で、新たなシステムの導入が必要となった。システムの見直しにあたり、今後の拡張にも十分対応できる汎用性の高いシステムが求められた。

Axisの認定パートナー株式会社ウインが提案したのは、3万件の登録が可能な顔認証システムに、共連れ検知機能を搭載したAXIS M3064-V Network CameraとAXISC1410 Network Mini Speaker を組み合わせたソリューションであった。A xis製品の採用にあたりP・SPO24では既に、Axisのサーマルカメラを店舗に導入しており、Axisソリューションの信頼性は実証されていた。また従来の静脈認証+共連れ検知のシステムに比べ、初期費用ならびにランニングコストがかからず、拡張時の設定変更もビデオ管理ソフトAxis Camera Stationを通じて容易に対応可能なことが決め手となり採用となった。

各店舗では出入口に顔認証用のカメラを設置し、入退出時に会員かどうかの確認を行っている。そこで共連れが行われた場合、AXIS M3064-Vに搭載した共連れ検知機能(AXISTailgating Detector)が検知する。共連れを検知すると、監視用として別角度に設置したもう一台のカメラAXIS M3064-VがAXIS Camera Stationを通じてイベントを送る。そしてAXIS Camera Stationからスナップショットが店舗スタッフへ送信される。同時にお客様への警告メッセージがスピーカーから流れるしくみとなっている。AXIS Camera Stationはすべての店舗に設置され、VPNで接続された有人店舗の6店舗で映像を確認できるように設定されている。

原則的には各店舗同様の仕様で導入されたものの、実際の設置にあたっては様々な苦労があった。「店舗によってドアの設置条件が異なり、同じ設定では共連れが正しく検知できずゾーンの設定などにも工夫が必要でした。」と語るのは株式会社ウイン ITソリューション事業部 上野一志氏。さらにシミュレーションゴルフが併設された店舗があり、ゴルフバッグを抱えた会員の入場を共連れとして検知する場合があり、その点を考慮した検知範囲の設定を行っている。

現在P・SPO24では、共連れ検知された瞬間にメールで連絡が入ると、カメラ映像を確認し、利用履歴を確認する運用を行っている。その検知頻度は1日に1回程度であるが、異常があったときにだけ映像で確認し、事象を特定できるため、不審者の侵入などには安心・確実に対応できると同時に人件費の面も含め効率的な運営が可能となっている。以前の共連れ検知はブザー音が3秒なり続けるもので、アラームの原因がすぐに分からなかった。今回導入したシステムは、具体的な音声メッセージと該当の映像をスナップショットで入手できるため、現場にいるお客様も、アラートメッセージを受け取った運営スタッフも警報の理由を明確に知ることができるようになった。

また、システムの設定変更のしやすさも柔軟な店舗運営に役立っている。「社内研修やイベントの際は、多くのスタッフが一度に入場する必要する必要があり、その都度共連れの警報が鳴るのは不具合なことがありました。その際AXIS Camera Station側で共連れ検知設定を一時的に無効にしたり、スピーカー音量を下げるといったことが簡単にできました。以前は、主電源を切ってブザーを止める方法しかなかったので、非常に助かっています。」(株式会社三福ホールディングスSPウェルネス事業部 取締役部長 村上 晃平 氏)

今後は、ネットワーク音声システムのスケジュール機能を利用して会員により具体的なメッセージを出していく計画があるという。例えば学生会員向けに夜10時以降に退出を促すアナウンスや、マスクを着けていないお客様に運動時のマスク着用を依頼する定期的アナウンスなど、現在実現に向けて検証を行っている。さらに、今回AXISの共連れ検知機能により会員おひとりずつの利用時間データの精度が向上したため、ご利用時間・混雑時間帯が把握できるようなり、顧客満足度向上のためのサービス提供が可能となった。店舗の無人化を促進しながら、会員への利便性を追求し続けるP・SPO24の取り組みが今後も非常に楽しみである。

製品とソリューション

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