データセンターへのカメラシステムの設置
ドイツのITシステムハウスが、ネットワークカメラを利用したリモートモニタリングをデータセンターに導入
ミッション
ドイツに拠点を置く欧州の大手IT企業Bechtle AG社は、2017年にデータセンターをフランクフルトのe-shelterに移行しました。セキュリティ対策を導入することに加え、カメラ技術とリモートモニタリングを使用して、データの情報セキュリティに全面的に取り組むのがその狙いです。
解決策
適切なソリューションを選択するための条件は、あらかじめ明確に設定されていました。 カメラは、ズームインしたときでも細部がすべて見えるように高い画質を備えている必要がありました。また、動きを検知してリアルタイムでイベント通知を送信する機能も大切です。 そのため、ビデオ管理ソフトウェアも重要な検討材料となりました。 Bechtle社が提携先として選んだのは、長年にわたってパートナー関係にあったメーカーAxis Communicationsです。最終的に、500平方メートルの範囲の360°パノラマビューを備えた3台のネットワークカメラと25台のネットワークドームカメラが設置されました。 このソリューションを支えるのは、ネットワークビデオ製品の管理用として認定済みのビデオ管理ソフトウェア、AXIS Camera Stationです。
効果
ネットワークビデオソリューションの設置とシステムの運用はいたって簡単で、特別なトレーニングなしに、付属するビデオ管理ソフトウェアを使い始めることができました。 ライブ映像へのアクセスを規制する承認のしくみがとりわけ実用的で、不可欠であることがわかりました。
Axis Communications社とは、長年緊密に連携してきました。 Axis社の製品には非常に感銘を受けており、その使いやすさに大変満足しています。 そのネットワークビデオソリューションは、高いセキュリティを感じさせます。データセンターで起こっていることをいつでも確認し、すぐに対応できるからです。
ネッカーズルムに本社を置くBechtle AG社は1983年に創設され、欧州を代表するIT企業の一つとなっています。 ドイツ、オーストリア、スイスに70のITシステムハウスを持ち、14か国にEコマース企業を擁するBechtleは、貿易、産業、公共部門、金融市場など7万以上の顧客に、すべてのメーカーを取り仕切りながら一括して、さまざまなITインフラとITオペレーションを提供しています。 現在約11,000人のスタッフを雇用しており、MDAXおよびTecDAXに上場しています。 2018年の売上高は43億ユーロを超えています。
実現可能な最高の保護レベルで機密データを管理
Bechtleのデータセンターの計画は2016年にさかのぼります。幾度となく収益性分析を行った結果、同社は自社データセンターの建設を止め、老舗のデータセンタープロバイダーが提供するスペースを利用することに決めました。 Bechtle社は、欧州の大手データセンターサービスプロバイダーe-shelterがフランクフルト・アム・マインに所有する敷地に、独自のデータセンターを開設します。 もっとも、ITシステムと運用はすべてBechtle社が行っています。
Bechtleはデュアルサイト戦略により、常にひときわ高いセキュリティ基準を持って業務に取り組んできました。 その一方で同社は、現場での人的な作業を置き換え、その膨大な機密データストアをさらに効率よく管理・保護することのできる別のソリューションを模索していました。 最適な戦略と思われたのは、ネットワークカメラ、動体検知、リモートアクセスを使った監視です。 また、次の選定基準が盛り込まれました。
>優れた画質
> ネットワークカメラのズーム機能
> 360°ビュー > 動体検知とリアルタイム通知
> 承認管理機能を備えたビデオ管理ソフトウェア
> システム全体の操作が簡単
「これらすべての条件を加味し、Axisによって実施される長期的なサステナビリティ戦略と照らし合わせたところ迷わず、Axisと手を組むのがよいだろうという結論にいたりました」。Bechtle AG社ビジネスサービスマネージャー、ユルゲンメスマー (Jürgen Messmer) 氏はそう言います。
現場に常駐せずに最大限のコントロールとセキュリティを実現
独自のシステムを外部に委託することは、特にデータの内容まで預けるとなれば、関係する会社に相当な信頼が必要です。 e-shelterのデータセンターはすでに極めて高度なセキュリティを提供しており、建物はさまざまなセキュリティ対策によって保護されています。 しかしネットワークカメラを追加すれば、そこで稼動するBechtle社のサーバー専用のソリューションが可能になります。なによりも、管理を独立して行い、個別に保護することができるため、結果としてデータ保護の独立性と効果を最大限に高めることができるのです。
Bechtle社は、中小規模企業のビデオ監視プロジェクト向けに専門的なソリューションを提供しており、長年にわたってAxisのチャネルパートナーであり続けてきました。 Bechtleが自社のデータセンター用にAxisネットワークカメラを選んだのは、何年も積み重なってきたポジティブな印象と信頼できるパートナーシップの結果だったのです。 最終的に、500平方メートルの範囲の360°パノラマビューを備えた3台のネットワークカメラと25台のネットワークドームカメラが設置されました。 ドームカメラはコールドアイルを監視し、必要に応じて個々のサーバーラックにズームインすることができます。
3台のマルチセンサーカメラによって部屋全体が監視され、シームレスなパノラマビューが得られます。 ネットワークカメラを管理するのはAXIS Camera Stationビデオ管理ソフトウェアで、このソフトウェアがシステム全体の核となっています。 システムの運用・管理はリモートから行うので、いつでも、どこからでも画像データを取得できます。 AXIS Mobile Viewingアプリを使用すれば、外出先から管理することも可能です。 ビデオ映像に対するスタッフのアクセスも、承認のしくみによって規制されています。
システムの動体検知機能も非常に有益で欠かすことができません。 動きが検知されるとカメラからレポートが返され、ビデオ管理ソフトウェアからリアルタイムのアラートが電子メールで送信されます。 「所有するデータと情報のセキュリティが最優先事項です。 当然、フランクフルトにあるデータセンターのサーバールームへの立ち入りを誰が承認されているかが重要になります。立ち入ることのできる時間や場所も重要です。 そのすべてを、ネッカーズルムにある本社からビデオ管理ソフトウェアを使ってコントロールできるのは本当にすばらしい」。Bechtle社のインフラストラクチャスペシャリスト、フロリアン・ムンク (Florian Münch) 氏はそう説明します。
24時間使用できる信頼性の高いシステム
ネットワークカメラとそれに付随するビデオ管理ソフトウェアは、e-shelterのIT設置担当者のオンサイトサポートを受けて、2017年に運用が開始されました。 ネットワークカメラは、ネッカーズルムのBechtle社で事前に設定されており、リモートコントロールによって現場で微調整されます。ネットワークカメラはすべてONVIF標準規格 (グローバルでオープンな業界標準) に準拠しています。 設置作業と設定作業は直感的に行えるうえ、ビデオ管理ソフトウェアの操作も簡単なので、スタッフへの特別なトレーニングは必要ありません。
カメラシステムへのアクセスは、管理者、オペレーター、閲覧者のグループから成るマルチレベル承認のしくみによって提供されます。 いつ誰が、どの画像にアクセスできて、誰が設定を変更できるか、また誰がシステムへのアクセスを禁止されているのか、部分的にのみアクセスできるのは誰かが、このしくみによって厳密に管理されます。 これらの機能をすべて利用して、考えうる最大限のデータセキュリティがデータセンターに確保されます。
「Axis Communications社とは、長年緊密に連携してきました。 Axis社の製品には非常に感銘を受けており、その使いやすさに大変満足しています。 そのネットワークビデオソリューションは、高いセキュリティを感じさせます。データセンターで起こっていることをいつでも確認し、すぐに対応できるからです」。ユルゲン・メッサー (Jürgen Messmer) 氏はそう話しています。