Exterior of AIM HQ building in Montreal
工業および製造業

繰り返される窃盗行為の悪循環を断ち切る

組織: American Iron & Metal
場所: ケベック州モントリオール, カナダ
顧客のニーズ: 敷地周辺とエリアのセキュリティ, 財産や資産の保護, アクセス管理, 証拠書類, 損失防止と盗難
ケベック州モントリオール, カナダ, 

リサイクル事業と製造事業を手がけるグローバル企業、American Iron & Metalでは、盗難防止と事業所内の安全性の向上、物流の円滑化の目的でAxis製カメラや身体装着型カメラ、ホーンスピーカーを導入し、エンタープライズレベルのセキュリティを構築しています。  


金属くずのリサイクルから電子工業まで

American Iron & Metal社は、1軒の金属リサイクル工場として設立されました。その後大きな成長を遂げ、現在は世界に90か所以上のAIMリサイクルセンターを展開しています。 また同社は何年もかけて、関連事業を拡大させてきました。カナダ国内に4つの事業所を展開し、不動産の撤去と解体に必要な環境サービスを提供するDelsan AIM、カナダ国内の4つの州とメイン州で中古自動車部品を販売するKenny U-Pull、米国とカナダを含む12カ国の事業所で電子工業業界向けのはんだ組立材料を製造するAIM Solder、ケベック州の建設現場廃棄物をリサイクルするAIM Éco-CentreもAIMの関連会社です。

American Iron & Metal (以下、AIM)のコーポレートセキュリティディレクターを務めるGuy Ouellet氏は次のように語ります。「この業界では、大抵の人がゴミと考えるものを扱っています。 ところが、金属くずやその他の原料は非常に高価です。 そのことが、あらゆる種類の犯罪を招く要素となります」

Ouellet氏がAIMに入社した頃、同社のセキュリティは現在ほど体系化されていませんでした。 各事業所ではそれぞれの判断でセキュリティ機器を導入し、独自のシステムを監視していました。 Ouellet氏は多国籍企業であるAIMで損失を防ぐために、より優れた戦略を導入する必要性があると感じていました。 彼は次のように振り返ります。「AIMが世界に保有する全資産を一元的に、ビデオで監視しようと考えました。 そのためには、機器とソフトウェアを規格化して画質を確保する必要があり、また会社の成長に応じてソリューションを拡張する能力を備えていることも条件でした」

Ouellet氏は正当な予算であることを主張するため、「小さな盗みを働いた泥棒をつかまえずに放置すると、泥棒は仲間を連れてこの会社に戻ってきて、さらに大きな盗難を行う。 つまり数ドルの損失も、たった1晩で数千ドルに膨れ上がる」と指摘しました。 

フォレンジック品質のビデオが盗難の反復を抑制 

こうしてOuellet氏はカナダに本社を置くセキュリティシステムインテグレーターのSecurmax社を指名し、各事業所が直面する個別の課題にもスムーズに順応するエンタープライズレベルのセキュリティソリューションの構築支援を依頼しました。 

Securmaxでセールス担当バイスプレジデントを務めるYan Bujold氏は次のように話しています。「Axisのカメラを薦めたのは、個人的に、史上最高のカメラ製品群だと思っているからです。 Axisは常にこの市場の先駆者です。 Axisはインテグレーター向けの優れたツール群を提供しており、またインテグレーターだけでなくエンドユーザーにも利便性の高い優れたWebサイトを公開しています」

Ouellet氏は次のように明かしています。「現場に機器を設置する前に、犯罪統計やその他のデータを調べてリスク評価に役立てています。 施設外から問題がやってくる可能性や、内部犯行が発生する可能性を推測し、その事業所向けにセキュリティソリューションを適応させる方法を変えています」

Axis PTZ on pole at AIM

Securmaxは世界各地のAIMの事業所に1000台を超えるAxis製の高速パン/チルト/ズーム (PTZ)カメラ、多方向カメラ、パノラマカメラ、そしてAxisホーンスピーカーを配備しました。 一連のデバイスはGenetec Security Centerビデオ管理システムに統合されています。AIMのセキュリティチームは全事業所の活動を一元的に監視できるだけでなく、イベントのフォレンジックエビデンスを収集し、また必要に応じて生放送を行うことも可能です。

Close up of body worn camera on safety vest of AIM security guard

またSecurmaxの提案により、モントリオール本社の警備員はAxisの身体装着型カメラを装備し、無作為な検索によって従業員による資材盗難を記録しています。 また金属くずを配送するトラック運転手の待ち時間を最小限に抑えるため、Securmaxはモントリオールとラバルの構内進入口に2Nインターコムを設置しました。

Ouellet氏が入社した頃、彼の調査チームは年間約50件の問題に対処していました。 現在ではAxisのテクノロジーが以前は検出されなかった犯罪行為を発見するようになり、彼のセキュリティ部門では年間約1,000件の問題に対処しています。 「すべてのインシデントを把握しているとまでは言いません」とOuellet氏は認めます。 「しかし現在、この先進的なセキュリティシステムのおかげで、年間約3,500万ドル分の回収に成功しています」

分析機能導入の重要性

カメラの鮮明な画質はOuellet氏が高く評価する点ですが、それだけではありません。この一元的なセキュリティソリューションの優れた管理性は、スマートなエッジベースの分析機能に支えられています。 「AIMのセキュリティ部門は小さなチームです。分析機能がなければ、すべてのカメラを監視することは不可能です」とOuellet氏は指摘します。

AIMは現在 AXIS Motion Guardと、AXIS Fence Guardという2つのエッジベースの分析機能を利用しています。 Motion Guardは特に就業時間外に、特定のエリアでの不審なアクティビティの検出に使用されています。 この分析機能はヘッドライトや木の葉の揺れ、小さな物体など、映像の背景に存在する通常の動きを無視するよう設定できるため、誤検知が大幅に抑制されます。 Oeullet氏のチームではカメラをプログラムで制御し、Axisのホーンスピーカーで警告メッセージを自動再生しているほか、フラッドライトをオンにして侵入者を追い払うと同時に、AIMのセキュリティ担当者に電子メールやライブビデオストリームを送信して対応する仕組みを構築しています。

さらにFence Guardも組み合わせることで、不審な人や車両がフェンスで囲まれた領域などの事前定義された仮想線に近づいた場合、カメラからセキュリティ担当者にアラートが送信されるようになっています。 このパースペクティブ設定により、葉や動物などの前景のものを無視し、離れた場所のアクティビティにカメラの焦点を合わせることが可能となっています。

私たちは常にAxisのシステムを限界まで活用しています。 しかし、社内のセキュリティ担当者がグローバルに統合されたセキュリティソリューションを適切に管理できるのは、オンボードの分析機能のおかげです。
Guy Ouellet氏
American Iron & Metal、コーポレートセキュリティディレクター
Security Center view at AIM

窃盗者を先回りして安全基準を強化

Ouellet氏はテクノロジーを活用し、潜在的な窃盗行為を先回りする方法を常に追求しています。 たとえば、容疑者にはレンズがどちらを向いているか分からないようにするため、ブラックシャドウレンズを備えた超静音の多方向なAxis Qラインカメラも設置しています。 Ouellet氏はこのように指摘します。「レンズがいつ反対側を向くか分かっていれば、窃盗者は仲間にフェンスを飛び越えるタイミングを教えることができます。 泥棒の片棒を担ぐわけにはいきません」

Axisのカメラとホーンスピーカーは、AIMグループ全体で健康と安全のプロトコルを実施するための標準ツールとしても活用されています。 禁煙ゾーンでの従業員の喫煙制限や、フロントローダーを操作する従業員が正しい手順に従っているかどうか現場管理者が確認できるようにするなど、活用範囲はあらゆる領域にわたります。 また一部のリサイクル施設では大量の可燃性物質が蓄積されるため、AIMではAxisの熱温度警報カメラを設置して温度を遠隔地から監視しています。温度が上昇した場合は通報し、火災を防ぐよう担当者に警告が届きます。 

今後、AIMではAxisホーンスピーカーのネットワークをモントリオールの事業所に設置する予定です。 「火災警報器が鳴った場合は必要に応じて、特定の建物、あるいは事業所のすべての建物の従業員を対象に、アナウンスを放送することが可能になります」とOuellet氏は語ります。 

すべてのインシデントを把握しているとまでは言いません。 しかしAxisの先進的なセキュリティシステムのおかげで、投資は十分に回収できています。
Guy Ouellet氏
American Iron & Metal、コーポレートセキュリティディレクター

Axisテクノロジーの新たな活用法を絶えず追求

Ouellet氏は常に、Axisのテクノロジー活用の限界に挑んでいます。 彼の次の目標は、ドローンにAxisカメラを取り付けて、AIMがアリゾナの砂漠に保有する139エーカーの事業所をはじめ、大型事業所での監視を強化することです。 「このような事業所は広大な土地にあり、フェンスがありません。私有地にいることを知らず、バイクや自動車に乗って敷地内に入ってしまう人に対応する場面も少なくありません」とOuellet氏は説明します。 彼は侵入者のいる場所にドローンを向かわせ、一部のAxisカメラに搭載されているオーディオ機能を利用して警告することを計画しています。

Ouellet氏は次のように断言します。「未来とは、テクノロジーです。 一方でAxisのようなパートナーに対しては、彼らのカメラやその他のデバイスに搭載する新たなシステムについてこちらから働きかけ、連携することも大いに必要です。この業界で侵入者を検知し、業務を改善するために必要なシステムを実現させるためです」

製品とソリューション

Pipes and tanks in steel

製造業

Axisの監視ソリューションは、製薬、化学薬品、製紙、鉱業、食品、農業、自動車などの業界向けにカスタマイズできます。
詳細を見る

PTZカメラ

広い範囲の撮影を可能にするパン、チルト、ズーム機能
詳細を見る

AXIS P38 Panoramic Camera Series

シームレスなパノラママルチセンサーカメラ

詳細を見る

ネットワークオーディオ

スマートで簡素化された音声
詳細を見る

ウェアラブル

オープンプラットフォームの装着式カメラ
詳細を見る

Axisのパートナー組織