人気の観光施設を守る
モールオブアメリカ (Mall of America®) はAxisのパノラマカメラ、パン/チルト/ズーム (PTZ)カメラ、ドームカメラ、および身体装着型カメラを導入し、最先端の高度な監視とセキュリティを実現しています。 カメラは自転車および徒歩での巡回、K-9ユニット、行動アナリストによるセキュリティを強化し、安全で楽しい環境を支えています。
多層的なセキュリティ対策の実践
1992年のオープン以来、モールオブアメリカ (MOA) は世界有数の観光施設の1つとして人気を集めています。 施設内には50軒以上のレストランと500軒以上の店舗が営業しているほか、ショッピングエリアやミニチュアゴルフコース、ミネソタ州最大級の水族館、ジェットコースターやスリリングな乗り物を楽しめる屋内最大級のテーマパークをはじめとする多数のアトラクションがあり、利用客は年間3,200万人に上ります。
MOAは買い物客を保護するために厳しい訓練を受けた警備員チームを採用しています。また制服の警備員だけでなく、私服の覆面警備員も自転車と徒歩で巡回しています。 K-9ユニットはモールの3つのフロアを行き来し、爆発物やその他の持ち込み禁止物を捜索するチームです。 モールを管轄するブルーミントン警察署の警察官に加えて、人混みを観察して潜在的な問題を調べる行動アナリストや、SNSを組み合わせた調査で潜在的脅威を捜査する情報アナリストも勤務しています。 そしてこれらのセキュリティ対策の中心となっているのが、駐車場や入口、公共スペースを監視する何百台もの監視カメラです。
「監視カメラは、MOAの包括的なセキュリティシステムの一部として運用されています」と、モールオブアメリカのセキュリティ担当副社長ウィル・ベルンジェルム氏は話します。 「100%確実なセキュリティシステムというのは存在しませんが、MOAの多層的なアプローチは、限りなく近いものになっていると思います」。ベルンジェルム氏は、スライスされたスイスチーズの例で説明します。「重ねれば重ねるほど、同じ場所に穴がくる可能性は小さくなります」
最先端カメラテクノロジーへのアップグレード
きっかけは、MOAのレガシーカメラシステムが老朽化し、市場の他のシステムほど革新的な方針を維持できないことが明らかになったことでした。MOAは変化の時期を迎えていました。 モールオブアメリカの出動および特別プロジェクトマネージャー、ニック・エバート氏は次のように振り返ります。「対象となる床面積は広大です。 したがってMOAは常に、導入が完了済みのGenetecビデオ管理システムと連携できる最高のテクノロジーを探しています」
MOAの統合パートナーとなったCollins Electrical Construction社は、Axis Communicationsのカメラポートフォリオを検討することを提案しました。 Collins Electric社のアカウントマネージャー、マーク・ノース氏は次のように話します。「ショッピングモールにはAxisが適していると考えました。 モールオブアメリカは多彩なアプリケーションを導入しています。Axisのラインナップなら我々が直面するほぼすべての状況に対応するソリューションがあり、ビデオ管理システムとの互換性の問題を心配する必要もありません。 たとえばモールのアトリウムや、ガラスや光沢素材が多く表面が反射するエリアでも鮮明な画像を撮影できるワイドダイナミックレンジのように、複数の機能を搭載していることも私がAxisのカメラを評価する大きな理由の1つです」
ノース氏はこの他にもAxisの製品ラインナップには複数の強みがあると指摘します。具体的には、夜間監視用に最適化された赤外線照明のほか、パノラマビューとPTZ機能を単一のハウジングに格納し、広い視野でのエリア監視を維持したままイベントを追跡する際に便利な多方向カメラを挙げています。 さらに、「Axisはステンレススチール製のハウジングオプションも提供しています。このハウジングを使えば、モールが計画した屋内ウォーターパークのように水滴の多い環境で動作するカメラを保護することも可能です」と付け加えています。
モールの主力カメラの1つが、AXIS Q63 PTZ Cameraシリーズです。 「このカメラは解像度が高く、個人の識別に重宝しています」とニック・エバート氏は話します。 「画像を社内のスタッフや外部の法執行機関に提供した時は、その鮮明さに感謝されるほどです」
モールオブアメリカ施設内の環境条件はバラエティに富んでいます。 しかしAxis製カメラは各エリアの監視の課題に応える先進的な機能と、フレキシビリティを備えています。
警報が鳴った防火扉を映像で確認
緊急時に利用客を保護して避難経路を提供するべく、モールオブアメリカは防火扉を設置し、その多くに警報装置を設置しています。 「Axisのカメラを防火扉と連携させ、ドアの警報が鳴ったときにその場所で起きていることを警備員が確認できるようにしています」とニック・エバート氏は話します。
警報が鳴っても大抵の場合は、道がわからなくなった利用客が最寄りの出口を探しているだけです。 しかし、犯罪の容疑者がショッピングモールから逃走しようとしている可能性もゼロではありません。 エバート氏は次のように話します。「その人物がどこから出ていくか把握できれば、逮捕するために警備員やブルーミントン警察に通報できます」
警備チームは、ドアの警報が鳴りやまない理由を特定する目的でカメラを使用することもあります。 「通常は防火扉から外に出た際に、扉をきちんと閉めない人がいることが原因です」とエバート氏は説明します。 「この場合は建物のHVAC (空調制御) システムに大きな影響を与える可能性があることから、誰かを現場に派遣して戸締りをすることが重要です」。冬であれば、氷点下の空気が廊下に流入することで配管が凍結する可能性があります。 逆に夏は、高温多湿の空気が廊下に流入することで建物の冷却能力が損なわれます。
フードコートの状況を監視
フードコートのような人流の多いエリアではAXIS M50 PTZ Cameraシリーズを使用し、警備チームが問題を常に把握しています。 このカメラは3つの5メガピクセル センサーと、10倍のオプションズームを備えたPTZカメラで構成されています。 ニック・エバート氏はこのように説明します。「フードコートは活発な動きがあるエリアです。 だからこそ、一連のエリアに360度のビューを確保し、さらに特定のグループや個人にズームインできるこの仕様が役立ちます」
カメラは主な使用目的は監視ですが、利用者が滑って転倒する可能性のある液体だまりなど、潜在的な危険を予防的に検出し、傷害の申し出を記録する上でも役立ちます。 「単に事故を防止するだけではありません」とウィル・ベルンジェルム氏は説明します。 「MOAでは、不当に責任を追及するクレームの調査ツールとしてもカメラを活用しています」
またベルンジェルム氏はモール全体で戦略的に配置されたカメラが、警備員の他の任務に加えて、迷子の発見や医療上の緊急事態への迅速な対応などにも役立っていると指摘します。
不法侵入を取り締まる
モールオブアメリカの営業時間は1日のうち16時間です。 しかし営業時間外も、人々を集める魅力があります。 ニック・エバート氏は次のように話します。「ある利用客が、営業時間外も建物に侵入し続けていたことがありました。私たちは彼がどうやって侵入しているのか突き止められませんでした」
犯人はカメラの映っていない地下室で寝泊まりしていました。 このエリアはモールの主な搬出と搬入に使われており、モールの重要なインフラが多数配置されていました。以前には、ここまでの水準でカメラを設置するとなると莫大な費用が見込まれていました。 「AXIS P37 Panoramic CameraシリーズとP47 Panoramic Cameraシリーズの機器のおかげで、ついにこのエリアの監視が可能になりました」とエバート氏は話します。
カメラが設置された後、警備員は完全に閉まっていない防火扉が侵入者に使われていることを突き止めることができました。 そこでただちに対策を施し、ドアの不具合を修理しました。
警備員と一般客の会話を記録
警備員が身体装着型カメラを装備するようになったことで、モールのセキュリティはさらに多層化しています。 ウィル・ベルンジェルム氏は断言します。「身体装着型カメラは、MOAの視野を大きく変えています。 以前は、音声のないカメラ映像を見るだけでした。 現在では身体装着型カメラの映像を通じて、当事者全員の発言を実際に聞くことが可能です。 現場で起きていることを臨場感をもって認識しています」
圧倒的多数の人々がスマートフォンで出来事を記録してSNSに投稿していることから、これは特に重要な取り組みです。 「マウスを1回クリックするだけで完全な未編集のストーリーを入手できるということが、我々には非常に役立っています」とニック・エバート氏は話します。
ベルンジェルム氏は、あるモールのテナントから、警備員が数か月前の侵入未遂を適切に報告しなかったというクレームを受けたケースを挙げました。 「各警備員の所へ行って数か月前に行った対応を思い出すように頼む必要はありませんでした。アーカイブされた身体装着カメラの映像を確認し、訴えてきたテナントに、警備員が現場に到着した正確な時間や行った対応をそのまま提示することができたからです。犯人が逮捕される瞬間の映像まで見せました」
Axisとのパートナーシップ強化
徘徊検知、物体分類、人数計測をはじめとするAxisの分析機能の実装や、Axisホーンスピーカーやサーマルカメラ、レーダー検知機といったデバイスの導入など、モールオブアメリカではセキュリティを高める新たな手法を継続的に模索しています。 また、爆発物を探知するK-9ユニットで銃器の検知を行うための訓練も開始しています。
モールオブアメリカとAxisは、常に強力な絆で結ばれてきました。 Axisが事業所内のオフィスタワーにAxis Experience Centerを開設して以来、その連携はますます深まっています。 MOAの社員はAxisの担当者を度々直接訪問し、問題のトラブルシューティングを行ったり、新技術の情報を入手したりしています。 そしてMOA側も、Axisの新製品やソリューションの実証実験用環境を頻繁に提供しています。
「Axis Experience Centerが目と鼻の先にあることは、本当に有益です」とベルンジェルム氏は話します。 「問題が起きた場合、Axisはより良い解決策を迅速にブレインストーミングできるよう手伝ってくれます。 さらにAxis Experience Centerは、セキュリティ対策の多層化に役立つ多様な製品を知り、試す際にも便利です」
「このような利便性をパートナーにも、エンドユーザーにも提供しているというのは、本当に驚異的です」とノース氏は力強く語ります。
多層的なセキュリティソリューション
商業施設のモールオブアメリカは、高度なカメラシステムの戦略的な導入を通じて公共安全のための先進的な取り組みを実践しています。 Axis CommunicationsとGenetecのテクノロジーをセキュリティインフラストラクチャーに活用することで、難のある光条件でも高解像度の映像で監視を行うことができます。 さらに音声機能を搭載したAxisの身体装着型カメラを使用して、透明性の高いコミュニケーションや説明責任、インシデントの効率的な解決を実現しています。 最先端のテクノロジーを活かして新たなセキュリティ基準を確立したモールオブアメリカの手法について、こちらのビデオで詳しくご覧ください。