Camera overlooking highway traffic
輸送

Axis製カメラで、クロアチアの交通情報がリアルタイムで分かります。

組織: クロアチア自動車クラブ (HAK)
場所: クロアチア
顧客のニーズ: トラフィック管理, リモート監視
クロアチア, 

クロアチアの道路インフラの主要エリアはAxisのカメラが監視しており、ウェブサイトやモバイルアプリを介してドライバーに交通情報が提供されています。


ミッション

クロアチアは、間違いなく人気の観光地です。 2017年には、1,850万人という記録的な数の観光客が南ヨーロッパの同国を訪れましたが、車で移動する観光客がほとんどでした。 毎年多くの季節観光客が現地のドライバーに加わるため、クロアチアの道路インフラに大きな負担がかかっています。 さらに、極端な高温から強風や雪など、場所によっては交通が各種気象条件の影響を受ける可能性があります。 そのため、クロアチア自動車クラブ (HAK) は、国境検問所、料金所、高速道路のジャンクション、フェリー港、橋、トンネルなど、全国の主要な場所に交通カメラを設置することを決定しました。 設置の目的は、交通状況の画像をリアルタイムでドライバーに提供することでした。

ソリューション

当初、プロジェクトはアナログ・ビデオカメラで実行されました。 画像は続いてAxisビデオサーバーによってデジタル化され、HAKのウェブサーバーに定期的に送信されました。 技術の進歩に伴い、Axis製カメラのネットワークが古いアナログデバイスに取って代わりました。 現在このシステムは主に、交通渋滞や過酷な気象条件の恐れが高まっている場所を監視するAxisカメラに基づいて稼働しています。 そのため、要件は明らかでした。 信頼性の高い性能と高度なソフトウェア統合の可能性を備えた、天気の極端な変化に強いカメラ。 Axisのカメラ群には、ブレット型のAXIS P1425-LE Mk IIとAXIS P1427-LE、固定ボックス型AXIS M1125-E、およびAXIS Q6155-E PTZ Network Cameraを使用しています。

結果

カメラ設置の主な目的は確実に達成されました。 クロアチアの道路に設置された約260台のカメラによるネットワークは、すべての人のために安全を高めています。 HAKはクロアチアの交通情報を担当する国家機関であり、ドライバーに交通情報を提供することは公共の利益につながります。 対象地点から得られるリアルタイムの画像は、雪の状態、渋滞、または道路上で発生する他の事象という情報を取り扱うにあたり、信頼性とドライバーへの影響の点で、他の情報チャネルより役立ちます。 HAKのウェブサイトとモバイルアプリを使用することで、インターネットにアクセスできる人なら誰でも交通情報を入手できます。HAKは、カメラ設置場所の数を継続的に引き上げる予定です。

HAKのプロジェクトでは、中央の記録装置や監視室のビデオウォールではなく、ウェブサーバー/ウェブキャッシュに画像を素早く送信する必要があります。送信された画像は主に、HAKのウェブサイトや一般の人々が利用するモバイルアプリに表示されるからです。 そのため、IPビデオサーバー上の画像をデジタル化することが、オプションではなく必須となっています。
ゴラン・バオティッチ(理学修士)
HAK、ビジネスサポート部長。

IPカメラへの道

クロアチア自動車クラブ (HAK) は数年前、ドライバーにクロアチアの主要インフラエリアの画像をリアルタイムで提供するため、交通カメラのシステムを運用することを決定しました。 「このプロジェクトは2004年に開始され、当初はAxis IPビデオサーバーのみを使用して、アナログ・ビデオカメラのデータをデジタル化し、静止画像を定期的にHAKのウェブサーバーに送信していました。 これらのビデオサーバー機能とAPI統合が、今日のIPカメラ・ソフトウェア構築の基盤となっています」と、HAKのビジネス サポート部長ゴラン・バオティッチ(理学修士)氏は述べました。 バオティッチ氏は続けて、以下のようにコメントしました。 「HAKのプロジェクトでは、中央の記録装置や監視室のビデオウォールではなく、ウェブサーバー/ウェブキャッシュに画像を素早く送信する必要があります。送信された画像は主に、HAKのウェブサイトや一般の人々が利用するモバイルアプリに表示されるからです。 そのため、IPビデオサーバー上の画像をデジタル化することが、オプションではなく必須となっています。」

Polecam from side

2015年、HAKは古いアナログ交通情報カメラを、最高品質の画像が得られるマルチメガピクセルの高解像度IPカメラと入れ替え始めました。 「HAKの最新システムにはAxis製のIPカメラを使用しています。主に使用しているのは、ブレット型のAXIS P1425-LE Mk II、 AXIS P1427-LE、AXIS P1445-LE、AXIS P1447-LE、AXIS P1448-LEと、固定ボックス型AXIS M1125-E、そしてAXIS Q6155-E PTZ Network Cameraです」と、バオティッチ氏は説明しました。 HAKは、サードパーティの道路事業者が所有するアナログ交通情報カメラのデジタル化が必要な場所で、現在もSD解像度のレガシーAxisビデオサーバーを使用しています。 「他ブランドのIPカメラを試したところ、通常は適切な画質が得られることが分かりましたが、高度なソフトウェア統合が必要な場合があるので、この点は困ります」と、バオティッチ氏は説明しました。

ソフトウェア統合用に作られたカメラ

ソフトウェア統合が容易に実施できることは、HAKにとって不可欠な要素です。 HAKは、開発が継続中のAxis VAPIX® API (アプリケーションプログラミングインターフェース) に多大な信頼を寄せています。 「VAPIX®に比肩するものはありませんが、カメラそのもので動作するサードパーティのアプリケーション・パッケージも使用してはいます」と、ゴラン・バオティッチは述べました。 「また、Axis製IPカメラのLinux SSHシェルへ、ルートレベルでアクセスを有効にし、使用するようにもしています。こうすることで、カメラを実質的に小型のLinuxサーバーにできます。 この機能を活用することで、僻地や遠隔地に設置した残りのLANにアクセスできたため、何度も『救われました』。」

Polcams from below

カメラは、可能な場合は有線ネットワークに接続しますが、ワイヤレスで携帯ネットワークに接続もできます。 カメラは通常、柱や他の背の高い構造物の上に取り付けます。 「最大の課題は、フェリー港や橋といった、極端で届かない場所にカメラを取り付けることでした。こういった場所はたいてい中心地から離れた所にあって安定した電力供給がなく、適切で安定したネットワーク接続を確保しにくいのです」と、バオティッチ氏は説明しました。 さらに設置によっては、ボーラ (風速が時速250 kmを超えることもある、アドリア海沿岸全体にわたって発生するクロアチアの北風) の突風に加え、極端な気温、海塩、腐食といったその他の気象条件に、カメラは耐える必要があります。

新技術の導入

クロアチアのドライバーや観光客は、HAKカメラシステムによりリアルタイムで交通状況を確認できるため、十分な情報を得て判断してから出発できます。 これは、夏が始まり何千人ものヨーロッパ人観光客が南に向かう時期に、クロアチアの道路で時々発生する交通渋滞を防ぐのに非常に役立ちます。 一方、クロアチアの道路のほとんどは雪の影響を大きく受けるので、カメラは冬でも有用な情報を豊富に提供してくれます。

Polecam from side

現在、クロアチアのドライバーは、約260台のカメラ (ほとんどがAxis製カメラ) から送られる交通画像に、ウェブサイトもしくはAndroidやiOSデバイスで実行できる無料アプリケーションを介してアクセスできます。 HAKは常に、システムの開発と最新技術の実装に取り組んでいます。 「私たちは最近、プロジェクトに機械学習機能を導入しました。 この機能を取り入れた目的は、カメラから取得した画像にある機密性の高い個人情報をぼかすことですが、これはサーバーインフラでの後処理で行われます」と、バオティッチ氏は説明しました。HAKは将来的に、クロアチアの道路にさらに交通情報カメラを設置することを目指しています。 カメラはドライバーの快適性と安全性を向上させるだけでなく、交通管理や道路網の開発にも役立ちます。 「HAKは、交通カメラがカバーする場所の数を継続的に引上げ、交通パターンをより理解すべく複数の機械学習機能を統合することを計画しています」と、バオティッチ氏は言葉を締めくくりました。

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